頭の水虫で薄毛や脱毛になる危険性も!ペットからの感染にも要注意
水虫は足にできるというイメージが強いですが、実は、頭皮にも感染する危険性があることをご存知でしょうか。
ペットから水虫の原因菌が感染するケースもあり、場合によっては薄毛が促進したり、脱毛症を起こす事例も出ています。
そこで今回は頭の水虫の危険性や、感染経路、そして予防法についてご紹介します。
目次
1.そもそも「水虫」とは何なのか?
水虫は医学用語では「白癬(はくせん)」と言います。カビの一種である「皮膚糸状菌(白癬菌)」が皮膚の角質層に寄生し、やがて増殖した状態。これが水虫です。
皮膚糸状菌は高温多湿の状態で繁殖しやすいため、熱や汗が篭りやすい「足」で水虫が発生しやすくなります。全体の90%の水虫は、足で発症しているそうです。
しかしながら白癬菌は皮膚の角質層に寄生するため、足以外の部位でも水虫を起こす可能性もあります。
2.頭にも感染する水虫
水虫は手や顔、そして頭でも発症します。頭皮にできる水虫は「頭部白癬」や「シラクモ」と呼ばれています。
頭部白癬の大きな問題は、脱毛や薄毛を起こす危険性があることです。痒み等の自覚症状が少なく、知らず知らずのうちに進行してしまうかもしれません。
頭部に水虫ができると髪の毛が楕円形状に抜けてしまい、細かい「鱗屑(りんせつ:ウロコ状のカサつき)」が出てきます。
皮膚科のクリニックでは、「抜け毛がひどい」と言って来院された患者さんの頭皮を調べてみたところ、水虫の原因菌である「皮膚糸状菌」が見つかったというケースも多々あるそうです。
水虫が原因で、いつの間にか脱毛や薄毛が起きているのです。
3.頭の水虫は、ペットからうつるケースも多い
水虫の原因菌である「皮膚糸状菌」は、人から人へと感染するだけでなく、動物から人へと感染するケースがあります。
人から人の場合は、温泉やプールなどの裸足になる場所で、足裏を介してうつるケースが多いですが、ペットと人間の場合は違います。
飼っているペットとじゃれあっている時に感染したり、ペットに付着していた皮膚糸状菌がカーペットや床に落ち、そこに寝転んでしまった人の頭にうつる場合も考えられます。
白癬の原因となる皮膚糸状菌は全世界で40種類以上あり、日本ではその中の10種類程度が白癬の原因となっています。
人を介して白癬(水虫)がうつる場合、トリコフィトン・メンタグロフィテスやトリコフィトン・ルブルムという菌が原因となっているケースが多いのですが、ペットから感染する場合は「ミクロスポルム・カニス」という菌も原因になります。
このような白癬の原因菌が頭皮に寄生してしまうと、やがて髪の毛が抜けやすくなり、脱毛症へと発展してしまうのですね。
4.格闘技等のスポーツで感染する場合も
頭の水虫はペットだけでなく、格闘技等のスポーツを通して人から人へとうつる場合もあります。
柔道やレスリングなどの格闘技は接触する場面が多く、頭と頭を擦り合わせているようなシーンも見受けられます。このため片方の選手が皮膚糸状菌を持っていた場合、相手の選手にも皮膚糸状菌がうつってしまい、やがて頭部白癬になる危険性があります。
この格闘技を介して伝染する菌は「トリコフィトン・トンズランス」というもので、一時期は「新型水虫」と呼ばれていたそうです。
2000年頃に海外から持ち込まれたと言われており、感染力は強いです。頭皮に感染した場合、フケが増えたり、発疹ができたり、酷い場合は膿が出るケースもあります。
脱毛の重症化に繋がる危険性も出てくるので、要注意です。
5.頭の水虫にならなための予防法について
水虫の原因となる皮膚糸状菌は、たんぱく質の「ケラチン」が存在している皮膚や爪、毛などで感染します。
さらに、水虫患者の皮膚から剥がれ落ちた角質にも、皮膚糸状菌が潜んでいます。
このため頭の水虫にならないための予防策としては・・・
1.髪を乾かす時、タオルやブラシは共用しない。
2.お風呂の足拭きマットやタオル、カーペット等の共用はできるだけ控える。(※水虫だと疑われる人がいる場合)
3.ペットが皮膚病等に感染していないか、よく観察する。
4.外で飼われているペットとは、むやみに接触しない。
5.帽子やヘアケア用品等の共用もできれば避ける。
などが挙げられます。そしてもう1つ重要な予防策は、自分自身の健康状態を良好にしておくことです。
何かの病気で免疫力が弱っていると、病原菌に対しての抵抗力も弱まり、皮膚糸状菌に感染しやすくなります。
免疫力アップは病気や菌への防御力を高めることにも繋がるので、日頃から食事の栄養バランスを整え、健康的な生活を送るように心がけたいですね。
6.万が一、頭部白癬(頭の水虫)に感染してしまったら・・
もし頭部白癬の感染に気付いたり、白癬と思われる症状が出てきた場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。
病院では基本的に「抗真菌薬」を使って頭部白癬を治療していきます。この薬は原因菌の増殖を防ぎ、同時に殺菌する効果もあります。
抗真菌薬は飲み薬と塗り薬があり、原因菌が毛孔まで侵入している可能性がある場合は飲み薬を、頭皮の表面で感染している場合は塗り薬が処方されます。
そして注意しておきたいのが、治療を受ける前に重症化してしまうことです。
頭部白癬は症状が悪化すると炎症を起こし、やがて化膿してしまう危険性があります。そしておできのような状態になることを「ケルスス禿瘡(とくそう)」と言い、髪の毛の再生(発毛)が困難になってしまいます。
このため「自分は絶対大丈夫!」といった過剰な自信は持たずに、異変を感じたら直ぐに皮膚科を受診するよう心がけましょう!
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